良性腫瘍
口腔腫瘍は、他の臓器と同様に大きく良性腫瘍と悪性腫瘍(口腔がん)に分けられます。 それぞれの腫瘍は、発生する部位などによって細かく分類され、 治療法や治療後の見通しも異なります。
症状
良性腫瘍の患者さまは、多くの場合自覚症状がありません。
特に顎骨にできるものは大きくなるまで気がつかず、
細菌感染による痛みや腫れによって初めて自覚することがあります。
また、歯科治療中のレントゲン撮影で偶然発見されることもあります。
粘膜にできるものは肉眼的に発見しやすいため、比較的早期にみつかることが多いと言えます。
悪性腫瘍の患者さまに多い症状は以下となります。
- 口内炎や白斑がなかなか治らない。
- 歯がぐらぐらし、よく出血する。歯が自然に抜けた。
- 義歯が入りにくい。義歯が当たって歯肉が痛い。
- 口が開きにくい。物が飲み込みにくい。
- 顔、唇、顎が腫れてきた。
- 唇や舌がしびれる。
特に痛みやしこりを伴う白斑や口内炎が2週間以上消失しない場合は、
一度検査されることをお勧めいたします。
住岡のコメント
舌に白いものがあり、不安に思われていましたが、外来できれいに切除できました。
病理組織検査も行い、白板症と診断が確定し、数ヶ月に1度経過観察を行っています。
処置時間:約10分 検査結果がでるまで約1週間かかります。
処置費用:約6000円から15000円(病理組織検査代込 保険治療)
住岡のコメント
それぞれ良性のものです。
患者さまは悪性のものか不安ですが、病理組織検査を行い、
確実に診断し、治療を行うことができました。
結果を聞いた後の、患者さまの安心された様子が印象的でした。
処置時間:約10分
処置費用:約6000円~15000円(病理組織検査代込 保険治療)
治療
良性腫瘍のほとんどは手術の対象となります。
小さな腫瘍であれば局所麻酔での手術が可能ですが、
腫瘍の大きさやできた場所によっては全身麻酔が必要となります。
嚢胞摘出
からだのなかに形成された病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)といいます。
一般にそのなかには液状の内容物が入っており、ほとんどの嚢胞は、
その内側が上皮によって覆われています。
口腔外科領域には、顎骨内にできる嚢胞と口腔の軟組織に発生する嚢胞があります。
嚢胞はその成り立ちから、先天性のものと後天性のものに分けられます。
歯根嚢胞
むし歯(う蝕)が進行し、歯髄に感染が起こり、それが歯根の尖端に波及すると、
根尖性歯周炎が生じます。
それが慢性化すると歯根肉芽腫(しこんにくげしゅ)や歯根嚢胞ができます。
日常臨床でしばしば遭遇するもので、顎骨の中に生じる嚢胞の50%以上を占めます。
粘液嚢胞(ねんえきのうほう)
口の粘膜を咬んだり、異物が刺さることなどにより、
唾液が出てくる管が閉塞して唾液が貯まったり、唾液の出る管が破れて、
唾液が漏れだしてその周囲を線維性の薄い組織が取り囲むことにより生じる嚢胞です。
口唇や舌下面に多くみられます。
なお、舌下腺から分泌された唾液が口底部に貯留して生じる粘液嚢胞をガマ腫といいます。
住岡のコメント
子供によく見られます。
痛みがなく、つぶれて小さくなってもしばらくするとまた膨れてきます。
治療法は粘液嚢胞の場合は摘出、がま腫は開窓術というのを行います。
処置時間:約10分から20分
処置費用:約6000円から10000円(病理組織検査代込 保険治療)
子供の場合は費用なしあるいは数百円で済むこともあります。
小児や矯正に関する口腔外科
住岡のコメント
小学生の時にレントゲンをとって発見されることが多いです。
大きな病院の口腔外科で全身麻酔でやることもありますが、
可能な限り、当院では局所麻酔でなるべく対応するようにしています。一度ご相談ください。
患者さまのお母様に入院しなくて済むのは助かりますとよく言われます。
処置時間:約15分から20分
処置費用:子供の場合は費用なしあるいは数百円で済むこともあります。
住岡のコメント
発音がしにくいとのことで受診されます。
ほとんど出血もなく治療できます。
処置時間:約15分から20分
処置費用:子供の場合は費用なしあるいは数百円で済むこともあります。
他に矯正歯科と連携し、小臼歯の便宜抜歯や矯正用インプラントスクリューの埋入も行っています。
処置時間:約15分
処置費用:4500円~(便宜抜歯) 8000円~(スクリュー埋入)材料代は含まない
他に矯正歯科と連携し、小臼歯の便宜抜歯や矯正用インプラントスクリューの埋入も行っています。